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日本を考える委員会が提言Uを発表(2007.8.28)
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| --- 提言 国家継続計画「国家財政」 --- |
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●提言を発表する若林副委員長、河井副委員長 |
日本を考える委員会(藤田 寛委員長)は、このたび二つ目の提言をとりまとめ、8月21日の幹事会の審議を経て、8月28日に発表した。
同委員会は、富山の経済人であると同時に日本の経済人あるとの立場から、日本全体の問題を考え富山から中央に向けて意見を述べることを目的に、平成17〜18年度に活動した委員会である。18年10月に、提言T「国家継続計画 国のかたち・日本人のこころ」を発表し、引き続き、国家財政のあり方について検討を行い、今回の提言Uの発表に至った。
現在、わが国政府は600兆円もの債務を抱えており、地方公共団体まで含めた政府部門全体の債務残高はGDPの1.7倍を超える775兆円に達している。
同委員会では、当会が志向する国家継続計画の観点から極めて憂慮すべき事態と考え、民間企業の発想による国家財政の実態の検証の必要性や、「入るを量りて出るを制する」原則のもと、経済界としての王道である経済活性化、官の効率化をあらためて訴えるべきとした。
提言の概要は、以下のとおり。(本文はこちら)
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提言の概要
本提言の趣旨
・現在、わが国政府は600兆円もの債務を抱え、地方公共団体まで含めた政府部門全体の債務残高はGDPの1.7倍を超える775兆円(先進国中最悪)。
・このような財政状態が続いている国が、将来にわたって持続可能とは考えられず、われわれ富山経済同友会の志向する「国家継続計画(国家サステナビリティ計画)」の観点から、極めて憂慮すべき事態。
・国家の財政状態は、金融市場をはじめ国の経済に大きな影響を与え、企業活動と極めて密接に関係しているため、経済人としてもこの問題に深い関心を持たざるを得ない。
・こうした認識の下、富山経済同友会 日本を考える委員会は、今後の国家財政のあり方について様々な視点から検討した結果をとりまとめ、本提言を行う。
提言1 民間企業の発想による国家財政の実態の検証― 国の債務残高の真の許容額はいくらか
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・国の債務については、財務諸表のうち、貸借対照表の貸方の負債勘定だけが議論されている。また、歳入・歳出についても、企業会計におけるフローの要素とストックの要素とを混在させたままで議論が行われている。民間企業の発想に立てば、貸借対照表と損益計算書を一体的に見ることが不可欠。
・民間企業ベースの極力正確な損益計算書を作成し、国のキャッシュフローを試算、この額との比較において現時点で許容されるべき債務残高について、国民の判断を仰ぐことが必要。
提言2 税収増対策の中心は「経済活性化」 −経済界としての王道−
・国の財政状態改善策は、普遍の原則である「入るを量りて出るを制する」。「入るを量る」方策は、まずは経済活性化、すなわち、高成長の果実としての税収の自然増であるべき。
・自らの事業経営により適正かつ最大限の収益を獲得した上で、これに係る納税義務を果たし、また従業員に適切な分配を実施して国家財政に貢献することこそ経済人の責務であり、われわれ富山経済同友会もこの原則に則って王道を歩む所存。
・経済活性化の方策としては、規制緩和等の他、海外からの直接投資(FDI)を促進し、新たな事業分野における資金やアイディアの出し手として、外資系企業をこれまで以上に活用することも有効な手段。
提言3 経済活性化に結びつく官の効率化−予算執行の合理化・効果測定、ICTの積極的活用−
・「出るを制する」(支出削減)方策は、政府部門活動の効率化・生産性向上によるコストダウン、そして官の活動領域の再定義によるリストラ。
・官の仕事の効率化余地は依然として大きく、特に予算執行の合理化は急務(実績主義、
単年度主義の見直し)。また、事業の事後効果測定・評価を充実させることも重要。
・官の業務におけるICTの活用(政府部門の電子化)促進が不可欠。コスト削減のみな
らず、国民あるいは地域住民の利便性向上にも大いに資する。国内のICT市場拡大に
貢献し、経済活性化にもつながる。
提言4 官の活動領域の再定義−官依存から脱却し、自立した民間、国民・地域住民へ−
・官の役割縮小は、官の側の撤退によって実現されるが、それを受け止める民間企業、国民・地域住民の側の意識改革も不可欠。
・官は、従来行ってきた仕事の全てを見直し、民間にアウトソーシングするものは委ね、止めるべきものは止め、それに合わせた組織その他のリストラを断行、コスト削減を実現すべき。
・民間企業や国民・地域住民も、これまでの官依存の意識を改める必要あり。企業は官からのアウトソーシングを大きなビジネス・チャンスとして積極的な対応を図るべきで、これは経済活性化による税収増の流れも生み出す。
・また、企業、国民・住民は「何でも官にやってもらえば良い」との意識を捨て、官が撤退していく分野を積極的な自助努力により受け止めていく必要あり(国民・地域住民の「行動による負担」による政府部門の財政逼迫への対応)。
・今後は自主的な「金銭的負担」−官への納税に代わるもので、具体的形態は寄付となろう−を基に、民間が官に代わって新たな公的領域(新たな「公」)を担っていくケースも増加することが予想されるため、こうした動きを促進する施策も重要(寄付に対する税制優遇の拡充等)。
・最近議論されている「ふるさと納税」は、地方公共団体財政の改善に寄与し、地方の自立を促進する効果が期待でき、評価すべきもの。ただし、この制度はまさに自主的な「金銭的負担」であり、税の観点よりも、むしろ寄付の観点で捉えるべき。
なお、この制度はお金の受取人を変える効果しか持たないので、お金が真に地方の活力向上に活かされるよう、使途を監視する仕組みを併せて考えることが不可欠。
増税について
以上の提言には、「入るを量る」手段としての国民・地域住民の「金銭的負担」(提言4の自主的な負担とは異なる)、すなわち増税の項目が含まれていない。
危機的とされる政府部門財政の状態からすれば、経済活性化策のみでこの問題を解決しようとするのは楽観的に過ぎ、国民負担増は避けて通れない、との主張には一定の説得力あり。
しかし本提言は、「国家継続計画」の策定を最終目的とする立場から、政府部門財政の現状認識の再検討、そして官の効率化、官の仕事の再定義と民の意識改革という、国家の根源的な問題に優先的に取り組むことが実効性ある計画に結びつく、との発想。
増税は財政状態改善に即効性を持つが、われわれは現在の富山県を作り上げた和漢薬の伝統に倣い、あえて、多少の時間がかかっても根治につながる方策を選びたい。
以上
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