地域の未来を創る「スマートシティ」と「データサイエンス」 – 7月会員定例会 – | 富山経済同友会

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2020.07.08
定例会

地域の未来を創る「スマートシティ」と「データサイエンス」 – 7月会員定例会 –

今年度初の会員定例会が7月8日(水)、ホテルグランテラス富山で開催され、当会会員に加えて会員所属企業の実務責任者・担当者、魚津市長の村椿晃氏、滑川市長の上田昌孝氏、県内市町村実務担当者ら約230名が出席した。

地域創生委員会 山野委員長

定例会は地域創生委員会(山野昌道委員長)が主管し「スマートシティとデータサイエンス」をテーマに、地域創生委員会副委員長の吉田守一氏(㈱日本政策投資銀行富山事務所長)、富山市長の森雅志氏、当会幹事の東出悦子氏(㈱アイペック代表取締役)、富山大学長の齋藤滋氏の4氏を講師とした講演会を開催した。

まず吉田氏が、2020年2月に地域創生委員会にて実施した、福島県会津若松市、会津大学におけるスマートシティの取組みに関する視察概要について報告した。吉田氏は、スマートシティを推進する拠点や情報プラットフォームの整備はもとより、協議会の設立や大学発ベンチャーの活用による産学官連携など、会津若松市における先進的な取組みを紹介した。

次に、森市長が「富山市版スマートシティの取組み」と題して講演を行った。講演の中で森市長は「基礎自治体の仕事はface to faceでなければならないと考えているが、今後、この維持にはどこかで効率化を進めなければならない、というのがスマートシティの取組みの出発点」「富山市のスマートシティの取組みはまだ道半ばだが、センサーネットワークの設置は行政としては全国初。民間企業のアイデアを実現する手段としてぜひ活用してほしい」と、これからのまちづくりときめ細かな行政サービスの効率的な維持・提供に対する想いを語った。

次に、東出氏より富山市スマートシティ推進基盤を活用した実証実験の事例として「駐輪場の混雑お知らせシステム」の構築に関する取組みが紹介された。東出氏は発表の中で、取組みのきっかけは社員の通勤時におけるエピソードであったこと、富山市センサーネットワークの活用自体だけでなく、一定の精度確保や長期的なモニタリング・データ収集が可能など多くの知見が得られたこと、他の分野への応用など今後の幅広い展開の可能性について報告した。

最後に、齋藤学長が「地域課題解決を通じた、データサイエンティストの育成―富山大学データサイエンス寄附講座の設立―」と題して講演を行った。この中で齋藤学長は「今後、各産業におけるデータ取扱量が急激に増加することが見込まれる。このデータを使いこなす人材(データサイエンティスト)の育成が急務」「データサイエンス寄附講座の設立など、自治体や企業との連携を軸に、本学としても地域課題の解決などに取り組んでいきたい」など、富山大学として地域貢献に取り組んでいく決意を語った。 

講演会風景

今定例会のテーマである「スマートシティとデータサイエンス」に対する参加者の関心は非常に高く、多数の質疑応答がされるとともに、講演後も講師と熱心な意見交換が行われるなど終始、活気と熱気ある雰囲気に包まれていた。