設立趣意書 | 富山経済同友会
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(昭和36年3月)

すでにご高承のとおり、わが国の経済は、すでに復興の段階を終え、新しい発展に向かって力強い前進を続けているのであります。

したがいまして、私たち経済人としても、新たな事態に対する認識を深め、各般の積極的、具体的な方策をもって新段階に処する必要があろうかと存ずるのであります。

すなわち、さきごろ発表されました経済成長政策に即応し、今後どのような方針で経営を進めてゆくべきか、あるいは貿易為替の自由化に対処し、今後どのように経営の安定と成長を図るべきか、さらには、急速なテンポで進んでいる技術革新に対応する経営の刷新をどのように具体化してゆくべきかなど、経営の各般にわたり解決しなければならない多くの問題があるのであります。

また、国民経済の進展に伴う地域格差の是正は、政府においても大きく採りあげ、その施策についても識者の注目するところであります。この点、富山県としても、輸送力の増強、電力を中心とするエネルギー源の確保、新港計画の具体化、あるいは中小企業の振興対策など、総合開発構想に非常な熱意を示しており、その実現について県財界の研究、協力が強く要請されているのであります。

このように重要諸懸案が山積しているにもかかわらず、従来、相互に研究討論を重ねるとか、あるいは、財界として必要な意見を発表するなど、積極的な施策に欠ける点があったように感ぜられるのであります。このような意味におきまして、私たち経済人共同の発言と研究の場をもつために、このたび富山経済同友会の創立を発起した次第であります。

申すまでもなく、経済同友会は昭和21年、諸井貫一氏をはじめ諸先輩有志により発足して以来、その標ぼうする新しい経営理念にもとづき、わが国経済の発展のために残した足跡はまことに輝かしいものがあるのであります。これは一に、進歩的中堅経済人が相つどい、個別企業にわずらわされることなく、広い視野に立つ自由な討議により、相互の啓発と自己研さんを進められ、あるいは実践のための同志的結合を深め、政治的立場を排除しながらも、経済政策について進んで参画されるなど、積極的意欲的に活動された結果にほかならないと考えられるのであります。

本会発足に際しまして、私たちもまた、かくありたいと念願いたしているのであります。すなわち、県における進歩的経済人の機関といたしまして、現実の職場に密着した知識と経験を駆使し、自由な立場から積極的に政策面に参画し、県の経済発展、ひいては、わが国経済の発展に、いささかなりとも貢献いたしたいと念ずる次第であります。

なお、本会は各地経済同友会との連携はもちろん、各種経済団体と密接に連絡、協力し合うとともに、会員相互の知識の向上と親交を深める機関としても、充分役立たせたいと存ずる次第であります。

以上設立の趣旨を述べた次第でありますが、さいわい皆様のご賛同を得て、次代の財界をになう達識、有意な経済人の多数参加せられんことを期待するものであります。