お酒と万葉歌との深い関係、秘められた想いに触れる ~11月会員定例会~ | 富山経済同友会

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2020.11.08
定例会

お酒と万葉歌との深い関係、秘められた想いに触れる ~11月会員定例会~

11月会員定例会が11月8日(日)、オークスカナルパークホテル富山で開催され、会員約90名が出席した。定例会は文化スポーツ委員会(五十嵐博明委員長)が主管し「檀ふみさんと語るお酒の万葉歌」と題し、女優・エッセイストの檀ふみ氏、高岡市万葉歴史館館長の坂本信幸氏、当会中尾特別顧問の3氏による鼎談形式で行われた

文化スポーツ委員会 五十嵐委員長

鼎談は3氏それぞれが選んだ、お酒に関わる好きな歌について、共感する部分や歌が詠まれた背景などを語る形で進められた。

檀氏は富山ゆかりの歌人 大伴家持の父・旅人が詠んだ

「験(しるし)なき 物を思はずは 一坏(ひとつき)の 濁れる酒を 飲むべくあるらし」

を挙げ「旅人の歌の中で私が最も知ってよかった歌。これを本家取りして『験なき 物を思はずは あかねさす 葡萄の酒を 飲むべくあるらし』と詠んで、私のテーマソングとしています」と紹介した。


坂本氏も旅人の歌

「この世にし 楽しくあらば 来む世には 虫に鳥にも 我はなりなむ」

を挙げ「享楽的に聞こえるが、旅人が最晩年になり奥さんに先立たれ、その悲しみの中で生き、酒を飲む。輪廻転生の中で虫や取りになってもよいというところに大変深い感じがある」と解説した。


中尾特別顧問は家持の叔母である大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の歌

「酒坏(さかづき)に 梅の花浮かべ 思ふどち 飲みての後は 散りぬともよし」

を挙げ「散ってもいいと言っているが、本当は絶対に散ってほしくない、そういう想いを反語的な言い方で詠んでいる」と語った。

鼎談の様子

参加者は、お酒と万葉歌に対する3氏の想いに触れるとともに、檀氏による臨場感あふれる歌の朗読に酔いしれていた。

定例会後、檀氏、坂本氏を交えて懇親会を開催した。定例会のテーマ「日本酒」で乾杯で始まり、参加者一同和やかに歓談した。また、檀氏は各テーブルを廻り笑顔で写真撮影に応じるなど、会場は終始、華やかな雰囲気に包まれていた。