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「居場所」と「舞台」でウェルビーイングの深化を 高野翔氏 講演 -7月会員定例会 -
「居場所」と「舞台」でウェルビーイングの深化を 高野翔氏 講演 -7月会員定例会 –
7 月会員定例会を 7 月24日㈪、ホテルグランテラス富山で開催。福井県立大学 地域経済研究所 准教授/ウェルビーイング学会 理事 高野 翔 氏が「ウェルビーイングなまちづくり-まちに居場所と舞台を-」と題して講演を行った。今回はウェルビーイング小委員会(東出悦子委員長)が主管し、会員約120名(オンライン視聴含む)が参加した。
最初に高野氏は、ウェルビーイングの定義について触れ、学問上では一般的に「身体的、精神的、そして社会的に良好な状態にある実感する幸せ」とされるが、ウェルビーイング(幸せ実感)は主観的なものであり、一義的な定義で捉えるのではなく、自分がどういったときに幸せを感じるかをぜひ考えてもらいたいと話した。
続いて、ウェルビーイングを中心とした国づくりを行う先駆的な事例としてブータンの取組を紹介。GNH(国民総幸福量)を最上位の国是とし、金銭的・物質的豊かさだけでなく精神的な豊かさを重視するブータンでは、国民一人一人の声を丁寧に聞き取る GNH 調査を実施し、「幸せ」を司る上位省庁 GNHC を設置するなど国の体制も整え、実際にウェルビーイングを公共政策に活用していると説明した。
また、このブータンの実践が国際社会に影響を及ぼし、今やウェルビーイングは SDGs に続く国際アジェンダとして議論されるなど大きな潮流であると説明。日本においても経済活動や働き方において重視されつつあり、富山での指標化や福井での主観による幸せ測定など、地域でも取組が進んでいると述べた。
さらに、「幸せ」を測った上で実際にウェルビーイングを深化させるためには、「人の尊厳を守る居場所」と「可能性を発揮する舞台」が地域に必要とする自身の研究におけるキーメッセージについて語り、福井での「居場所と舞台」の概念を活用したまちづくりの取組を紹介した。
最後に、高野氏は、ウェルビーイングは非常に広く大きな概念だが、家庭や職場そして地域において「居場所と舞台」をともにつくっていくことが、ウェルビーイングを進め深める第一歩になる、と話し講演を締めくくった。