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「潮目を読む さかなの目。転換点が来つつある」 海外視察報告会・12月会員定例会・年末懇親会
「潮目を読む さかなの目。転換点が来つつある」 海外視察報告会・12月会員定例会・年末懇親会
平成28年を締めくくる12月会員定例会・年末懇親会が12月12日(月)、オークスカナルパークホテル富山にて開催され、会員ら約180名が出席した。定例会前には、海外視察報告会も行った。
海外視察報告会
はじめに、第6回海外教育事情視察(9月18日~24日、フィンランド・デンマーク視察)について、団長を務めた富山県立魚津高等学校の福島英晴校長が説明。今年度より新たに教育改革に着手し、生徒のモチベーション向上、ICTの活用推進などに取り組むフィンランドの最新の教育事情や、だれに話しかけてもほぼ英語が通じると言われるほど、母国語レベルにまで高められている高度なデンマークの英語力などについて報告した。
続いて、第36回海外経済視察(8月16日~24日、デンマーク・フィンランド・ロシア視察)について、三井物産㈱ 野水秀一 理事北陸支店長が報告。デンマークの高い国民所得(世界9位)は、高い労働力資質・労働流動性や、女性・外国人労働者の活躍、メディコンバレーに代表されるグローバルニッチで高付加価値産業への集中投資、政府・政治に対する高い信頼・支持(選挙投票率90%)などが要因と説明。北欧から見た日本経済の弱みの分析やロシア情勢について、ユーモアを交えて報告した。
12月会員定例会
報告会に続いて、12月会員定例会を開催。東京大学名誉教授、学習院大学教授 伊藤元重氏が「経済展望と今後の企業経営~日本経済復活の条件、企業経営がめざすもの~」と題し、講演を行った。
伊藤氏は、経済を見るには「潮目を読むさかなの目」が最も大切、今ものすごい転換点が来つつあり、その見極めが重要とした上で、日本経済が厳しい局面にあるのは、過去20年以上停滞した経済の見方を引きずり、企業が投資をしないからであるとした。そして、世の中が変わるとき、投資をしない企業は生き残れないと述べ、AI、IoT、Big Dataなどの事例を紹介、現在起こっている第四次産業革命について、マクロ的な視点から解説を行った。
年末懇親会
続いて年末懇親会が行われ、来賓に定例会講師の伊藤氏を始め、富山県から寺林敏副知事、渋谷克人教育長、新田一郎知事政策局長、亀井明紀観光・地域振興局長、山崎康至経営管理部長、大橋豊商工労働部次長、富山県市長会の森雅志会長(富山市長)をお招きした。
まず、久和進代表幹事が、「懸案であった北陸新幹線敦賀以西のルートが決定し、良い年の瀬を迎えることができた。今後、財源問題を解決、一日も早く着工し、2030年頃には全線整備を実現したい。富山県、北陸の飛躍、発展に繋げていきたい」と開会の挨拶を述べた。
続いて、来賓を代表して寺林副知事が挨拶、森市長会長の発声により当会では定番となった地酒で乾杯が行われ、懇親会は和やかな雰囲気のうちに始まった。
今回の懇親会メニューには、六次産業化委員会が田植えから収穫までを手作業で行った赤米・黒米(富山県育成の水稲新品種)を使った料理も提供され話題を呼んだ。
終盤には、テノール・オペラ歌手の澤武紀行氏(射水市出身)が、ピアニスト竹内佳代さん(富山市出身)の伴奏で、オー・ソレ・ミオなどを迫力の声量で歌い上げた。その後は、富山県民愛唱歌「ふるさとの空」を参加者全員で合唱。最後は、中尾特別顧問を中心として唱歌「ふるさと」を4題目(作詞:中尾哲雄)まで合唱し、会場は大いに盛り上がった。
最後に米原蕃代表幹事が「政治と経済が一本になることで初めて物事は進んでいく。富山経済同友会は、今後も政治に対して様々な意見を発信して行く必要がある。来年は酉年、鳥のように羽ばたこう」と結び、懇親会は盛会のうちに終了した。