社会に出るための“武器”を持とう! 安宅和人氏講演会講演会 -2月会員定例会- | 富山経済同友会

活動報告

ACTIVITY

Activity

  1. ホーム

  2. 社会に出るための“武器”を持とう! 安宅和人氏講演会講演会 -2月会員定例会-

2018.02.09
定例会

社会に出るための“武器”を持とう! 安宅和人氏講演会講演会 -2月会員定例会-

2月会員定例会が2月9日(金)、富山県教育文化会館で開催され、ヤフー株式会社CSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅和人氏が「AIネイティブ時代を君たちはどう生きるか」と題して講演を行った。講演会は教育問題委員会(伊東潤一郎委員長)が主管し、県内高校生、会員等約500名が出席した。
安宅氏は、まず、激変する時代について触れ、「今や世界はICT化の中にあり、5年から10年のうちに間違いなく全ての産業はデータ×AI化する。こうした激変する時代を若い皆さんが生きているのはラッキーだ」と述べた。

次に、世界の企業の時価総額ランキングについて、「トップ5は全てデータとAIを使い倒しているような企業だ。こうした強い企業の特徴は、生み出す利益よりも事業価値がはるかに大きい点であり、今や、市場におけるスケールと効率の追求ではなく、世の中をどこまでアップデートできるかが富の方程式になっている。だから、前者側の人材ばかりつくってきた日本は、後者側にならないと大変なことになる」と警鐘を鳴らした。

講師 安宅和人 氏

続けて、日本の現状と課題について触れ、「日本の新卒層の8割方を占める文系の人は、基本的な問題解決能力が欠落しているし、基礎的な統計的訓練も受けていなければ、プログラミングもできない。高等教育を受けたのにサバイバルスキルを身につけていない人が普通。つまり、日本の若者の多くは、持つべき武器を持たずに戦場に出ていっているようなものだ」と、これから社会に出る若者に必要なスキルについて熱く語った。
また、「『若さ=才能』である。従来より、革新は若者により行われてきた。高校生の皆さんには、自分の若さが才能であることを理解してフル活用してほしいし、同友会の方々には、才能のある若者を認めて、投資してあげてほしい」と力を込めた。

さらに、「『仕事=力×距離』であり、ただ重い物を持って立っていたのでは仕事をしたと言えない。変化を起こすことが仕事であり、その能力こそがスキル。物を考えたり人に伝えたりするベーシックを持ち、多くの人を動かすリーダーシップが重要になる。成長のスピードを意識してほしい。成長とは、“気づき”だ。つまらないことでも、気づいたことは書きとめてほしい。仕事や勉強に関しては、悩むことに価値はない。答えが出る前提で建設的に考えを組み上げてほしい」と強調した。
また、「AIは仕事の半分を奪う最大の脅威だと言われるが、それは間違い。『経験だけで物を言う人』と、『あらゆるデータからAIの力を利活用する人』との戦いになる。AIは、人間のように意思を持たない。課題解決が人間の仕事から消えることは、しばらくはないだろう」と説いた。

そして、最後に、「今、都市へ人口がどんどん集中する流れにあるが、技術を活用することで人間が自然と共存し、都市と行き来するのが本来の姿だ。恐らく未来は分岐点にある。皆さんは、どういう未来を残したいのか、野心と夢を持って仕掛けていってほしい」とエールを贈り講演を締めくくった後、相次ぐ高校生からの質問にも丁寧に応答いただいた。
今回の講演は、とりわけ高校生にとり大いに刺激となり、これからの学生生活をよりよく送るうえで、また、今後社会人となって活躍するうえで大きなヒントを与えていただいたのではないだろうか。